発動と解除
親指と中指で指を鳴らすと、世界の時間が止まる。両手の拍手が、その静止を解く合図になる。止まった世界を動けるシュウは、仲間にこの力を明かしていない。
指パッチンで異世界最強
第1話の景色を、もう少し近くから。
舞台は異世界アルディア。剣と魔法の旅のそばには、道を行く荷車や、家族で囲む食卓があります。場所、道具、食べ物に残る物語をたどります。

帰りを迎える場所
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空いた椅子にも、乾杯を
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冒険を支える、いつもの仕事
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宴が静まった、そのあとに
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小麦を運ぶ道、旅人を迎える門
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第1話の終わり、捜索の始まり
↗/ YUBIPACHI
親指と中指で指を鳴らすと、世界の時間が止まる。両手の拍手が、その静止を解く合図になる。止まった世界を動けるシュウは、仲間にこの力を明かしていない。
未接触の世界は青灰色。シュウが直接触れた対象は自然な色に戻り、手を離しても、時間停止を解くまでその色が残る。ただし、離したものが動き続けるわけではない。
落ちかけた杯を戻すこと。小さな傷に触れて治すこと。第1話では、力の強さだけでなく、シュウが何のために使うのかが描かれる。
/ YUBIPACHI
肉料理と煮込み、パン、木の杯と水差し。戦いのあとの食事は、空腹を満たすだけでなく、人と人との距離を近づけていく。
ニノがリリアへ差し出す蜂蜜。木の蓋を外した瓶と、蜂蜜を塗ったパン。張り詰めた会話のあとに生まれる、小さなやりとり。
籠のパンのひとつは黒く焦げている。完璧な料理ばかりではないところにも、トネリ亭の日常が見える。
猪から守った荷車の小麦は、食堂の料理へつながる。口を開けた袋の傍らに残る紐、使う粉と残す粉。家族を待つ気持ちが、食べ物にも宿る。
木の荷台、四つの車輪、長い柄。猪の牙で傷ついた後板には修理の跡が残る。人や物を運ぶ道具にも、旅の出来事が刻まれる。
机の端から落ちかけた杯と水。その一瞬に、シュウだけが動ける。青灰色の静止した景色が、彼の秘密の力を目に見えるものにする。
A LETTER FROM NINO
自分の字を見ると笑ってくれた父へ。ニノはその願いを、一通の手紙に託します。右のズボンのポケットからシュウの手へ、そして勇者の服の内側へ。小さな紙が、誰かを捜す旅の理由になります。
ニノの紹介へCREATURE
茶色の毛、二本の黒い角、二本の象牙色の牙。赤い目と暗い胸甲、胸中央の赤い核が目を引く魔物。荷車を襲うその巨体が、第1話の戦いを引き起こします。
核のふちに見える黒い輪は、物語に残された手掛かりのひとつ。その正体は、第1話では明かされていません。